体調が優れないとき、薬を飲むよりも食べ物で改善したいと思いますよね。そんな時、ポーランドでは鶏と野菜からじっくりダシを取った“Rosuł ロスゥ”というスープを食べます。鶏の油の金色の玉がきれいなシンプルなスープですので食欲がない時にもおすすめです。
今回はそのロスゥの作り方から、ロスゥは一度作ると3品できてしまうのでそのレシも紹介したいと思います!
ポーランド料理スープの基本
ポーランドのスープの元になる材料はほぼ同じ!(例外のスープもはあります。)スープの元になる材料は人参、ネギ、パセリ根、セロリ根、玉ねぎの5つです。これらの野菜を煮込んでダシをとるものが多いです。ポーランド料理では欠かせないスープ!たくさんの種類があるのにスープの素は同じとは驚きですよね。
下の写真の左下がセロリの根っこで、右下の野菜がパセリの根っこです。根セロリや根パセリはヨーロッパの地域で多く出回っていますが、最近ではアメリカや日本でも手に入るようですね。

これらの野菜はポーランドでは“włoszczyznaウォシュチズナ“といいスープ用野菜としてパックになって売られています。またスープは時間をおいた方が味が落ち着いておいしいので、私は食事の3時間前には作り始めます。
スープで3度楽しめるとは?
ロスゥは一度作ると3品できちゃうんです!
①シンプルなロスゥ(Rosł)
②お肉入りのクレープ(Naleśniki z mięsem ナレシニキ ズ ミエンセム)
③トマトスープ(Zupa Pomidorowa ズパ ポミドロヴァ)
我が家では
1食目:ロスゥ+お肉入りのクレープ
2食目:トマトスープにアレンジ+お肉入りのクレープ
という献立で食べています。
ロスゥの材料と作り方
スープ自体はとっても簡単です。切って煮込むだけ!
これがポーランド料理のスープの素になっています。
材料
ロスゥの材料は以下の通りです。
・骨付き鶏肉・・・足一本
・人参・・・3本
・セロリの根・・・人参と同じ量
・パセリの根・・・人参と同じ量
・長ネギ・・・10cm
・玉ねぎ・・・1個
・コンソメ・・・1個
・塩、コショウ
・水・・・2L
たったこれだけです。
レシピ
ロスゥのレシピは以下の通りです。
①人参は縦半分、横半分に切っておきます。(人参は一部スープと一緒に食べるので)
②ほかの野菜は適当にざく切りにします。(細かくし過ぎると取り出しずらくなるので、ちょっと大きめに)
③鍋に水、鶏肉、人参、セロリ根、パセリ根、塩を少々入れてアクを取りながら1時間煮込みます。しっかり沸騰させたのち火を弱めてじっくり煮てくださいね。強火でガンガン煮てしまうと濁ったスープになってしまいますので。(この間にお肉入りクレープの準備をします。)
④長ネギと玉ねぎも鍋に入れてさらに30分煮込みます。

⑤30分だったらすべての具材を取り出し、コンソメ、塩コショウで味を調えて出来上がり。

私はいつもざるですくい取っています。

ロスゥは細くて短い麺と人参を乗せて食べます。

シンプルだけど体に染みる味です。
肉入りお食事クレープのレシピ(7~8個)
お肉入りクレープは工程が多いのでちょっと手間はかかりますが、無駄なし味よしなのでぜひ作ってみてくださいね。
肉入りお食事クレープの材料
肉入りお食事クレープの材料は以下の通りです。
・ロスゥで取り出した野菜とお肉
・玉ねぎ・・・1個
・小麦粉・・・100g
・卵・・・2個
・牛乳・・・200cc
・砂糖・・・10g
・塩、コショウ
スープで使った材料以外は普通にクレープ生地の材料です。
お肉入りお食事クレープのレシピ
肉入りお食事クレープのレシピは以下の通りです。
①玉ねぎをみじん切りにしてあめ色になるまで炒めます。
※簡単なあめ色玉ねぎの作り方
大匙2の油(分量外)を熱し強火で玉ねぎを炒め、差し水をして放置。
水分がなくなったらゴムベラなどでフライパンに付いた玉ねぎのうまみ成分や油と玉ねぎ炒めて、また差し水をして放置を繰り返します。こげないよう注意は必要ですが、放置している間にほかの作業ができますね。
②小麦粉、卵、牛乳、砂糖を混ぜて、クレープ生地を焼いていきます。この分量だと8枚くらい焼けると思います。
③ロスゥで取り出したお肉を丁寧に骨からほぐします。(小さい骨があるので丁寧に取っていきましょう。)
④ほぐしたお肉と同じ量の野菜を取ります。(各野菜を均等に)

⑤ミキサーで細かく砕いていきます。お肉はお肉、野菜は野菜で分けてミキサーにかけてくださいね。ペーストまではいかない手前で止めてください。

⑥ボールにミキシングしたお肉と野菜とあめ色玉ねぎを入れて混ぜ合わせます。塩コショウでしっかり目に味をつけてください。

⑦クレープ生地に⑥の具材を乗せ、春巻きみたいに巻いて完成です!

食べるときにはフライパンで両面弱火で2分ずつ表面がちょっときつね色になるよう焼いて、お好みでケチャップをかけて食べます。

一度に食べない分は焼く前の状態で冷蔵庫に入れておいて食べる前にフライパンで焼いて温めます。
ロスゥをトマトスープに変身
ロスゥをトマトスープにするにはとても簡単です。
ポーランド語でzupa pomidrowa(ズパ ポミドロバ)といいます。
トマトスープの材料
ロスゥをトマトスープに変身させる材料は
・ロスゥ
・トマト缶・・・1個
・牛乳かサワークリーム・・・200ml
・塩、コショウ
①残りのロスゥを温めて、温めている間にトマト缶の中身をミキシングします。

②ロスゥにトマト缶を入れて、牛乳かサワークリームを入れます。(サワークリームが固まっている場合はスープで溶いてから入れてくださいね。)

サワークリームの方が濃厚でおいしいです。

食べるときにはご飯か細くて短いパスタを入れて食べます。
まとめ
いかがだったでしょうか。シンプルなスープからバラエティに富んだ2品ができるということで、体調不良の時以外にも私は月に2回は作ってしまいます。
ちょっと手間はかかるかもしれませんが、ポーランドの定番家庭料理なのでぜひ試してみてくださいね。
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